藤堂高虎と伊賀忍者ゆかりの温泉地、中伊勢温泉郷。
津、伊賀、名張にまたがる11の名泉をサルシカ隊長が入浴レポ!
サービスショットもあります(笑)。
中伊勢温泉郷湯めぐり旅。
9湯目も、津市の榊原温泉である。
清少納言が「枕草子」で、
・・・湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯・・・と讃え、まさに「湯ごりの地」として歴史をつむいできた榊原温泉。
※ななくり→七栗→現在の榊原温泉のことである。
今回の宿を訪ねるまえに、すぐ近くにある観光スポットに立ち寄った。
貝石山(かいせきざん)。
およそ1500〜2000万年前の、新生代の化石が多く出土することからこの名前がつけられた。
荒々しい岩肌がむき出しになっている。
この季節は藤が見事に咲いていた。
季節ごとに違う表情を見せてくれるに違いない。
貝石山から目的の宿へ向かったところにあるのが、湯元跡。
看板にはこう記されている。
『この旧泉源は「神湯」と呼ばれ、江戸時代には湯治場として栄えた記録が古文書に残されている。
又、清少納言が「枕草子」で七栗の湯と記している名泉で、平安時代からの泉源だったと云われ、榊原温泉発祥の地として親しまれてきました。』
なんと。
榊原温泉発祥の泉源である。
このあと、さらに歴史の琴線に触れることになるのであった。
さて、9湯目に訪ねた宿が、「神湯館」。
なんと江戸時代に湯治場として栄えた泉源の名前がつけられた宿である。
ここは今年(2018年)4月に、新たに中伊勢温泉郷に登録された。
だからまだパンフレットなどには掲載されていない。
中伊勢温泉郷のひとつとして、わたくしサルシカ隊長が、はじめて取材するのである!
支配人の慎改(しんかい)さんが対応してくれた。
「やはり榊原温泉の魅力は、歴史だと思うんですよ。
こんなに歴史がありながら、あまり人に知られていない温泉街は他にないんじゃないでしょうか・・・」
関東出身で宿を任されている立場からこそ感じることなのであろう。
慎改さんは、貴重な資料をみせてくれた。
戦後につくられたというパンフレット。
湯の瀬川沿いに木造の3階建てが見える。
宿泊費は一番安いところで1000円。
当時としてはかなりの値段の宿であったという。
そしてこちらは湯治場であった頃だと思われる写真。
金閣寺を模した建物が、いかに当時の榊原温泉が栄えていたかを物語っている。
たぶん昔は個人が経営していたらしいが、その後県の職員用の施設になり、現在は一般の宿として運営されている
「わたしもここ(榊原)にきて4年なので、歴史なんてほんの表面しか知らんのです・・・もっと調べて人に伝えていかないと、と思っています」
慎改支配人は、まじめにそう語るのであった。
さて。
新しい中伊勢温泉郷湯めぐり手形にスタンプを押してもらおう。
「えっと・・・ここに押したらいいんですか?」
そうなのだ。
神湯館はまだ登録されたばかりなので、手形を見るのもはじめて、スタンプを押すのもはじめて。
専用のスタンプがないというので、業務用のハンコを押してもらうことに(笑)。
デカイ。
枠を思い切りはみ出してる。
さあ、それでは、平安から江戸時代、そして今に伝わる湯に入ろう。
大浴場は男湯と女湯がひとつずつ。
露天風呂はない。
が、泉質がよいと口コミで広がり、日帰り湯のお客さんが多いという。
「ただ、あまり大きくないお風呂なので、宿泊のお客様優先ということで、利用者が多い場合はお断りさせていただく場合もございます。
特に連休などの場合はお断りさせていただくことが多いので事前にご連絡をいただければ・・・」
なんとも控えめなのだ。
さて、わたくしも失礼して。
うわ、なんだこのトロリ感は!
手で腕を撫でると、まるで滑るようだ。
日帰り湯の受付時間は、15時から20時。
おとな700円。小学生以下350円。
別邸の清原亭。
庭園を眺めながら非日常の空間を楽しむことができる。
こちらのお風呂は檜造り。
しかも源泉かけ流しである。
こちらを利用できるのは宿泊者のみ。
湯の瀬川に面した和室。
桜、新緑、紅葉・・・季節折々の眺めを楽しむことができます。
料理のコースは近くリニューアル予定。
三重県の食材を活かしたメニューを用意するとの話。
写真は会席コース。
どのように変わるのか楽しみである。
最後に慎改支配人といっしょに。
中伊勢温泉郷の新メンバーとして、ぜひこれからもがんばってください!
というわけで、中伊勢温泉郷めぐり9湯目おしまい!
あと残り2湯!!!